令和になって初めてのお正月。せっかくなので、いつもと違う過ごし方。上野の杜近くに宿泊し、美術館巡りをしてみましたのでご報告。(その2)
期待と、予想と、異なる思いを持ちながらの訪問。
「期待」とは、名門ハプスブルク家の素晴らしいコレクションを眺めるという貴重な機会への期待。
「予想」とは、名門ハプスブルク家のコレクションだけに、その作品(特に絵画)は、作品が題材としている時代・歴史・宗教などある意味ヨーロッパ人にとっては「あたりまえ」の予備知識をなしに、その価値を理解し、作品の素晴らしさを堪能することはできないだろうという予想。
今回は、「予想」が大きく当たりました。
幾名かの作家の名前は知っていたものの、多くは知らない作家の方々。肖像画についても、「青いドレスの王女マルガリータ・テレサ」や「フランス王妃マリー・アントワネットの肖像」、「皇妃マリア・テレジアの肖像」など、
あまりにも有名で、広く解説が流布されている作品群については、背景を知りながら改めて実物を観ることができ感動したものの、筆者にとっては多くは単なる「肖像画」、感動に至らず残念でした。
しっかりと作られた図録を販売していたので、それを購入。(※)今後、勉強をしながら、いつかは、それまでに得た知識を背景にその図録を眺めて、本当にその価値を楽しめるようになりたいと思います。なんてったって、「ハプスブルク家」が長きにわたって保有している作品たちです。意味のないわけがありません。
(※)オンライン購入も可能のようです。こちら、からどうぞ。
ちなみに、ここ数回の国立西洋美術館での特別展(「松方コレクション展」「ルーベンス展」)に比べると、若干少なめだったような気のする来場状態。(たまたまかもしれません)
(国立西洋美術館のいつものコースですが・・・)特別展の流れでそのまま常設展に移動します。
企画展示展である「ハプスブルク展」を踏まえた作品の選択(同時代、作家)がありながらも、「松方コレクション展」(※)として有料で展示していたモネを始めとする印象派の作品(修復を行ったモネ「睡蓮、柳の反映」含む)を「惜しげもなく」展示している点は、懐の深さ・広さを感じてしまいました。
しかも、ほとんどの作品が撮影自由。特別展のように混んでいることもなく、落ち着いた雰囲気の中で、思わずパチパチしてきました。
どの作品が気になりましたか?、作品名・作家名おわかりですか。(筆者は作品だけ観てもわかりません・・・悪しからず)国立西洋美術館の公式サイトでは「作品検索」機能があり、これらの作品を含む所蔵作品とその解説をじっくり楽しむことができますので、気になった作品があれば、ぜひご利用ください。
こちらは、かなりのお勧めです。
(※)「松方コレクション展」に関する記事も投稿しております。宜しければ、『「共楽美術館」建設構想~松方コレクション展~」』、『「Modern Woman」展も見逃せません。』を併せてご覧ください。
常設展の途中に、「ちょっと寄り道」的な流れとなる版画素描展示室。こちらの展示が毎回侮れないのです。
今回は、内藤裕史氏(筑波大学・茨城県立医療大学名誉教授)が寄贈されたコレクションの数々。
そしてそのコレクションは、、、印刷技術の発達する前の時代にキリスト教世界で行われていた聖書などの手写本における装飾文字。
文章そのものは理解できないものの、行頭、文頭の頭文字(アルファベット)に描かれた動物や植物。近くによって、あるいは拡大しないと見えないぐらいに繊細なレベルで描かれています。
そして、ページ全体で見ても装飾性が高く、十分に「芸術作品」(アート)に値するモノばかり。
さまざまな書体、フォント、失われつつある文字に興味のある方には、垂涎のコレクション展であること間違いなしです。
特別展の展示は、両方とも1/26(日)までとなります。ご興味のある方は、ぜひ足をお運びください。常設展は、一定のタイミングで展示替えが行われます。詳細は、国立西洋美術館にお尋ねください。
新着情報のご案内をいたします。よろしければ、こちら よりご登録ください。
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