昨今の事情で臨時休館のまま東京都美術館での展示は終了となってしまった「ハマスホイとデンマーク絵画」展
フライヤーの配布が始まっていた昨年の秋ごろから期待していて、実際に観て期待通りの展覧会でした。

抑えめの色彩ながら、丁寧な光の描写、ミニマルな構成、そんなところに何となく親近感を持ってみていたフライヤー。

会場にはいって、最初の区画のタイトルで、その親近感の根拠がわかりました。

「日常礼賛 ― デンマーク絵画の黄金期」

「日常礼賛」、日常の中に美を求める、なんと日本的な、日本人には親しみのあるアプローチではないですか。

そして、それを象徴的に表現するデンマーク語が

「HYGGE」(ヒュゲ)

「くつろいだ、心地よい雰囲気」「安心できる、快適な状態」といった意味を持つようです。

そんな心地の良さを伝えてくれるデンマーク19世紀末前後の絵画を代表するウィルヘルム・ハマスホイ

 

 

「静謐」という言葉がぴったりの画家です。

「空っぽ」の室内、後ろ向きの女性、整えられた場面設定、
これらが作品の特徴として共通するハマスホイとイルステズ、ホルスーウ。

ハマスホイからの一方的な影響という説もあるようですが、発表されている時期を見ると相互に影響をうけあっていたようにも思われます。

いずれにしても、最小限な構成で、日常の風景を切り取った「美」が、生活習慣・ライフスタイルは全く異なるものの、私たちにもすんなりと受け入れる、しっくりとする要因なのでしょうか。

ハマスホイの作品40点の他に、同時代、及び、そこに至る経緯となったスケーイン派を始めとする
19世紀のデンマーク絵画の代表的な作品。

ハマスホイ死後は、一時的に忘れ去られていたところ、1980年代になりヨーロッパやアメリカで再評価されることになるようです。2008年に初めて日本で紹介されたときにはかなりの驚きをもって迎えられたとのこと。当時も観ておきたかった気持ちがいっぱいです。

4/7(火)から6/7(日)までは山口県立美術館にて同じく開催される予定です。
お近くの方、ぜひご覧ください。

「美術手帖」さんのこちらの記事もお勧めです。ご一読ください。

『ハマスホイはなぜ室内画を描いたのか? 19世紀デンマークの時代背景から読み解く』
https://bijutsutecho.com/magazine/insight/21316

『「ハマスホイとデンマーク絵画」展に見る、デンマーク絵画の静謐な詩情』
https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/21208

(注)
本投稿の作品及び解説画像は、図録等を撮影したものです。従って、作品の色、全体の構図などは実物とは異なります。

新着情報のご案内をいたします。よろしければ、こちら よりご登録ください。

関連記事

  1. (妄想)にこたまライジングフォトアートミュージアム

    2019.07.10

    (妄想)にこたまライジングフォトアートミュージアム

    京都造形芸術大学通信教育部芸術教養学科での課題で、「博物館経営論」について考察しました。(課題レ…

    (妄想)にこたまライジングフォトアートミュージアム
  2. チャイルドからの手紙が到着しました。

    2019.07.29

    チャイルドからの手紙が到着しました。

    過日となってしまいましたが、ちょうど「ふみの日」(7/23)にチャイルドからの手紙が届きました。元気…

    チャイルドからの手紙が到着しました。
  3. インゲヤード・ローマン(Ingegerd Råman)展

    2018.09.24

    インゲヤード・ローマン(Ingegerd Råman)展

    日本・スウェーデン外交関係樹立150周年を記念して、東京国立近代美術館工芸館にて開催されている「イン…

    インゲヤード・ローマン(Ingegerd Råman)展
  4. プラン・ラウンジ3月 出張報告会&交流会

    2019.03.19

    プラン・ラウンジ3月 出張報告会&交流会

    プラン・インターナショナル・ジャパン(PIJ)さんの活動報告会が開かれました。現地でどんな活動がなさ…

    プラン・ラウンジ3月 出張報告会&交流会
  5. 夏の東京都庭園美術館

    2019.08.11

    夏の東京都庭園美術館

    アール・デコ様式の建築物として、その質や保存状態の高さで評価されている旧朝香宮邸、東京都庭園美術館。…

    夏の東京都庭園美術館
  6. 京都で和を楽しむ。(その1)

    2019.06.21

    京都で和を楽しむ。(その1)

    京都で開催される貴重なイベントに参加してきました。季節よく緑の映える日でもあったので、心身のリフレッ…

    京都で和を楽しむ。(その1)
  7. プラン・ラウンジ8月 「遠い国の女の子の親になる」ってどういうこと?

    2019.09.1

    プラン・ラウンジ8月 「遠い国の女の子の親になる」ってどういうこと?

    プラン・インターナショナル・ジャパン(PIJ)さんの活動報告会が開かれました。久しぶりに、現地でどん…

    プラン・ラウンジ8月 「遠い国の女の子の親になる」ってどういうこと?
  8. 山種美術館 広尾開館10周年記念特別展 生誕130年記念 奥村土牛

    2019.03.25

    山種美術館 広尾開館10周年記念特別展 生誕130年記念 奥村土牛

    少し桜には早い時期に、一足早く 「醍醐」の桜を楽しみました。圧巻の醍醐桜ですが、奥村土牛の作品には、…

    山種美術館 広尾開館10周年記念特別展 生誕130年記念 奥村土牛
  9. 女性と浮世絵展

    2019.06.7

    女性と浮世絵展

    この春、いくつか開かれていた浮世絵展。その中でも女性が関連する3つの展覧会が印象的だったので、事後と…

    女性と浮世絵展

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


過去記事はこちら

PAGE TOP