令和になって初めてのお正月。せっかくなので、いつもと違う過ごし方。上野の杜近くに宿泊し、美術館巡りをしてみましたのでご報告。(その1)
お目当ては、特別展示の「高御座と御帳台」。平成天皇陛下のご英断で人生の途中で二度の改元に立ち会うことができましたが、「次はなかなか遭遇できないだろう」、「即位礼正殿の儀で使われた高御座と御帳台を拝む機会は二度とないだろう」と考えての訪問です。
1/3、開館9時で、9時30分頃到着した時には、既に40分待ち。(あまりにも多い拝観希望者への対策故に)高御座と御帳台自体をじっくり観ることはかないませんでしたが、流れの中で、何枚かの記念の写真を撮影。
会場アナウンスで、「詳しい情報は配布資料をご覧ください」が流れるくらいでしたが、その配布資料はわかりやすく、勉強にも、記念にもなるものでした。
その流れで、企画展「博物館に初もうで」を見学。今年の干支「子・鼠・ねずみ」に関連のある作品を集めた展示。鈴木晴信の浮世絵から、江戸時代の伊万里焼染付などユーモラスのある作品が印象に残りました。先着300名様まででいただいたカレンダー(兼塗り絵)にも伊万里焼は登場です。また、着物では鼠柄の作品も展示されていましたが、「鼠色」に焦点を当てた作品も何点か。様々な鼠色があり、江戸時代に大流行したことなど、新たな知識の吸収です。
そして、最も期待していたのが、期間限定で展示替えされる「国宝室」の展示国宝。現在は、長谷川等伯「松林図屏風」。(オンラインでの館蔵品一覧 「松林図屏風」はこちら。)昨年、千利休や狩野派との関連を学んだ気になっていた方の代表作。(※)
利用している紙などから草稿だったともいわれているようですが、水墨画の最高傑作と評価されている作品です。「禅」、「わび・さび」の境地を無言のうちに指し示してくれるようで、できれば静かな山あいの畳敷きの広い部屋でじっくりと眺めたい作品でした。
(※)関連する記事を、こちら に投稿しています。よろしければご覧ください。
トーハクを後にしようと思ったところで、幸運にも、目に着いたのが平成館で開催されている特別展「天皇と宮中儀礼」の案内。こちらが、個人的には大当たり。特別展示「高御座と御帳台」と連携して、平成から令和への御譲位、その即位礼の開催に合わせて、普段あまり知ることのできない宮中における儀式や行事を解説することを目的とした展示です。
「即位礼と大嘗祭」「悠紀主基?風」「御所を飾る絵画」「年中行事」「行幸と御遊」の5つのテーマを掲げ、宮中における臨時行事と年中行事の区別を意識しながら、それぞれの中で、鎌倉時代までに確立された絢爛たる様式、それが武家時代に入り衰微したり廃絶したりしたこと、江戸時代に入り再興されたこと、という栄枯盛衰を意識しながら解説する構成です。
(多分あえて実施している)平易な解説は、残念ながら現代では普段学ぶことの少ない宮中に関する情報がわかりやすくスッと入ってきます。そして、詳しい情報は、関連する書籍(※)を紹介してくれているので、詳しく知りたい方々にも配慮されています。
国立博文館の特別展示としては小規模だと思いますが、国宝二点(『延喜式 巻七(甲)』、『延喜式 巻七(乙)』)、重要文化財三点(『源氏物語 「行幸」』、『厳島御幸記並高倉院昇霞記(金沢文庫本)』、『熊野懐紙』)を含み、これまで展示されたことのない初出作品も含め30点程度の展示は、見ごたえのある展示でした。
(※)猪熊兼樹 著『「旧儀式図画帖」にみる宮廷の年中行事』東京国立博物館 2018年東京国立博物館ミュージアムショップ 、又は、同オンラインショップ、で購入可能です。
いずれも、開催期限が迫っておりますので、ご覧になっていない方、ぜひ足をお運びください。
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