京都で開催される貴重なイベントに参加してきました。季節よく緑の映える日でもあったので、心身のリフレッシュをさせてもらえました。目の保養となった記録を備忘を兼ねて残しておきます。
大徳寺は、臨済宗大徳寺派の大本山で、こちらもかなりの敷地で20を超える塔頭寺院から形成されている複合体。応仁の乱による焼失の後、「一休さん」の一休禅師が再興したことで有名でしょうか。
また、お茶(茶道)を嗜む方には、ある意味「聖地」と言っても良い千利休の菩提寺であり、茶道三千家(表千家・裏千家・武者小路千家)歴代の墓所がある場所(聚光院)です。
その聚光院では、重要文化財である茶室「閑隠席」「枡床席」や、狩野松栄・永徳親子の描いた襖絵(障壁画)を観ることができました。茶室「閑隠席」は、千利休150回忌に当たり表千家7代如心斎が寄進したもので、TVでしか見たことのなかった茶室。極限までに余分を削り取った詫び寂びの真骨頂を目の当たりにできました。
そして、個人的に最も期待していた、書院にある千住博画伯の襖絵「滝」。実際に書院に入り、手を触れられる距離(もちろん触れるのは禁止)にまで寄って観る、また、書院全体を観る、という貴重な経験をすることができました。「滝」は、明るい青い背景と(様々な光沢もつ)白で表現された水の流れ、その躍動感、同時に静寂さも感じる素晴らしいものでした。
そんな素晴らしい環境の中で今回開かれたイベント「やまと語りべ」、「千の光を継ぐもの~利休と等伯~」。
現代風の狂言と言えばイメージしやすいでしょうか。演じ手のやすきひろこさんが、時には男性時には女性と登場人物を演じ分けながら同時に語ります。(詠います、の方が適切かもしれません)。
七尾の田舎絵師だった長谷川等伯(代表作:松林図屏風)が利休に出会い秀吉ら戦国武将に認められていくさま、対して老いていく天才絵師狩野永徳の苦悩などが「諸行無常」を基調に語り進められます。寺院の本堂で行うという趣向も合わせ、とても良い雰囲気を楽しむことができました。
普段は非公開ながら、たまたま春の特別拝観期間中だったため、観ることができました。畠山義総、前田利家という戦国時代きっての名将ゆかりの寺院です。
方丈前庭は、1978年中根金作(昭和の古堀遠州と呼ばれる。代表作に足立美術館の庭園)により復元されたもので、白砂に石組を配し、理想的な蓬莱(ほうらい)世界を表したと言われています。
大徳寺の中で最も古いと言われる寺院。特徴的な4つの庭を楽しめます。書院の南の軒先にある小さいながら存在感たっぷりの滹沱底(こだてい)。聚楽第の礎石が配されているため「阿吽の石庭」とも言われています。
方丈と庫裏との間の狭小な空間につくられた壺石庭の東滴壺(とうてきこ)。日本最小の石庭にして現代壺庭の傑作と言われています。小さいながら雄大な景観を表現しています。
方丈の前庭は、一枝坦(いっしだん)と呼ばれ、手前に亀島、左奥に蓬莱山、右奥に鶴島を配し、蓬莱思想を表現した石庭。お手本のような造りです。
方丈の北側は、龍吟庭(りょうぎんてい)。大徳寺では最も古い庭園で、室町時代の須弥山(しゅみせん)式枯山水で、真の禅院庭園と呼ばれています。青々とした杉苔で洋々たる大海を表していることから、「洛北の苔寺」として有名になったと言われています。また、石庭だけでなく、狩野探幽の描いた達磨図や日本最古の種子島銃、室中の龍図など見どころがいっぱいです。
最後は、気になっていた美術館である樂美術館へ。(「京都で和を楽しむ。(その3)」に続く。)
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