アール・デコ様式の建築物として、その質や保存状態の高さで評価されている旧朝香宮邸、東京都庭園美術館。
年に一度の建物公開展とのことで、『1933年の室内装飾 朝香宮低をめぐる建築素材と人びと』を観にいきました。

今回の展示のメインテーマは、
「室内を構成する要素―木材や石材、タイル、壁紙、家具など―に焦点を当て、その素材や技法、携わった職人や企業について、当時の工事仕様書やカタログ等の資料から解き明かすことを試みる」
とのこと。

通常の展示ではない、壁紙のサンプルや、さまざまな石材の比較展示、また新館では、復元された家具などの別展示も行われています。
これらは、当時の最先端の技術によって造られたものばかり。一見の価値ありです。

更に、嬉しいことは、普段撮影禁止の館内が、(一部の撮影禁止指定物を除き)ほぼ全般が撮影可能であること

玄関で迎えるラリック

庭園美術館のシンボル、セーブルの香水塔(アンリ・ラパン)

様々な灯り

ボンボニエールなど

部屋からの眺め

壁の芸術

階段、そして新館への道

そして、最も期待していたのは、普段非公開の「ウィンターガーデン」の特別公開。

建物最上階にあるその部屋は温室として設計されたようで、三方向から光を採りこめる冬でも暖かそうな部屋。
真夏の晴天は、とても暑かったです。(笑)
白と黒の市松模様に設えられた床と一部の壁。それ以外は白。現代でも十分ファッショナブルといえる素敵な部屋です。

本公開展は、9/23までです。
貴重な機会となりますので、写真ではなく、ご自身の目で素晴らしいアール・デコの世界をお楽しみください。

また、7/26から8/30までの毎週金曜日は21時まで開館する「サマーナイトミュージアム」が開催されています。
普段観ることのできない夜の庭園美術館も楽しそうですね。

新着情報のご案内をいたします。よろしければ、こちら よりご登録ください。

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