本日3/18は、「国際女性デー」(※1)でした。
先立つ3/7(木)に、Plan International Japan(PIJ)さん主催の国際女性デー2019トークイベント
「夢を実現するために~ジェンダー平等へのステップ 角田光代×増田明美さんを迎えて~」
に参加しました。

印象に残る言葉が多かったので、備忘を兼ねたメモとして、そのご報告を。

(※1)
1904年3月8日にアメリカ合衆国のニューヨークで、女性労働者が婦人参政権を要求してデモを起こした。これを受けドイツの社会主義者クララ・ツェトキンが、1910年にコペンハーゲンで行なわれた国際社会主義者会議で「女性の政治的自由と平等のためにたたかう」記念の日とするよう提唱したことから始まった。
国連は1975年(国際婦人年)の3月8日以来この日を「国際婦人デー」と定め、現在は国際連合事務総長が女性の十全かつ平等な社会参加の環境を整備するよう、加盟国に対し呼びかける日となっている。
国連は2010年7月2日の国連総会で女性に関わる国連の活動と組織改訂について決議、4機関を統合し「ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関」略称 UN Women を設立している。
wikipedia 「国際女性デー」 より

大崎麻子(プラン理事、関西学院大学客員教授)さんによる基調講演

ジェンダー平等は、SDGsに掲げられた17のゴールの5番目。(※2)
「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」
(「Achieve gender equality and empower all women and girls」)

SDGsのキーワード(出てきた背景)は、
 誰ひとり、取り残さない
 社会を変革する(sochial transformation)
 みんなでやる(multi steakholder)
この文脈のなかで、「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」を目指す。

empowermentとは、
  人生の選択肢を広げる
  自分で決める力をつける
これを実現するためのプロセス

leadershipとは、
  より良い環境・社会を創る
  変革(Change)を起こす
これらを推進できる人材

必要な要素として、
  健康
  教育
  経済力
  社会・政治参画
経済力や、社会・政治への参画がなければ、変革ができない。

(※2)
持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。
(外務省「JAPAN SDGs ACtion Platform」「SDGsとは?」ページより)

角田光代×増田明美さん(ファシリテーター:大崎麻子さん)によるトークセッション

角田さんの訪れた国は、マリ、インド、パキスタン、ヨルダン
女性問題と言っても、国によってまったく事情が違うので、行って現地で話を行くことで勉強になることが多い。
マリ:女性器切除廃止運動、欧米からの押し付けではなく現地の人々が頑張って実施している。
インド:売春婦の村。プランの支援が入ることで、ひどい扱いに対して怒りをぶつける女性がいた。それまでは怒るどころか当たり前と受入れていた。

増田さんの訪れた国は、ラオス、トーゴ、ベトナム
やはり、行ってみてわかることが多い、
トーゴ:成功体験、エンパワーメントの重要性を改めて体験。サッカーチームを作った。声の小さかった女の子が、試合に勝つことで、声も大きくなり、夢を語るようになった。

支援は地味で長期的なものが多い。(社会を変えていくために必要な要素)
緊急的な災害支援、人道支援と違って、対メディア的にも訴える部分が少ないのが残念。

女性への支援が成功していくところは、男性の理解を得ているコミュニティであることが多い。

何度か訪問を行い重要と思うことは、、、
胃腸の強さ、現地での順応力、足腰の強さ。(思いもかけないことが起きても対応できることが必要。)

日本でもジェンダーギャップ解消は、まだ道半ば。
文筆業では、著名な賞の受賞者に女性がなるようになってまだ浅い。それでも「女流作家」という言葉が出なくなってきたことに進歩を感じる。
スポーツの世界(陸連)では、理事に占める女性の割合は、まだまだ(10%も満たない。。。)

女性のリーダーシップに向けて、重要と思うこと。
言語化されていない、暗黙の了解にある社会・地域の慣習を打破していくこと
舞台を作ってあげること、特に普通の子たち(富裕階層の特定の女性ではない)が成功体験をもつこと

「遠い国の女の子の、私は親になります。」

イベントの最後にPIJさんからアナウンスのあった、キャッチコピーの変更。
血縁だけが親ではなく、遠く離れていて、場合によっては、お互いに面識がなくともできることは、いっぱいあります。
そんなことを、端的に表現した素敵ななコピーだと思います。
これからも地道な活動を続けていきたいと思いました。

(参考)SDGs 17のゴール

Sustainable Development Goals
Goal 1. End poverty in all its forms everywhere
Goal 2. End hunger, achieve food security and improved nutrition and promote sustainable agriculture
Goal 3. Ensure healthy lives and promote well-being for all at all ages
Goal 4. Ensure inclusive and equitable quality education and promote lifelong learning opportunities for all
Goal 5. Achieve gender equality and empower all women and girls
Goal 6. Ensure availability and sustainable management of water and sanitation for all
Goal 7. Ensure access to affordable, reliable, sustainable and modern energy for all
Goal 8. Promote sustained, inclusive and sustainable economic growth, full and productive employment and decent work for all
Goal 9. Build resilient infrastructure, promote inclusive and sustainable industrialization and foster innovation
Goal 10. Reduce inequality within and among countries
Goal 11. Make cities and human settlements inclusive, safe, resilient and  sustainable
Goal 12. Ensure sustainable consumption and production patterns
Goal 13. Take urgent action to combat climate change and its impacts
Goal 14. Conserve and sustainably use the oceans, seas and marine resources for sustainable development
Goal 15. Protect, restore and promote sustainable use of terrestrial ecosystems, sustainably manage forests, combat desertification, and halt and reverse land degradation and halt biodiversity loss
Goal 16. Promote peaceful and inclusive societies for sustainable development, provide access to justice for all and build effective, ccountable and inclusive institutions at all levels
Goal 17. Strengthen the means of implementation and revitalize the Global Partnership for Sustainable Development

持続可能な開発目標
目標 1. あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
目標 2. 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
目標 3. あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
目標 4 . すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
目標 5. ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う
目標 6. すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
目標 7. すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
目標 8 . 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働き
がいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
目標 9. 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及び
イノベーションの推進を図る
目標 10. 各国内及び各国間の不平等を是正する
目標 11. 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
目標 12. 持続可能な生産消費形態を確保する
目標 13. 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
目標 14. 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
目標 15. 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
目標 16. 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
目標 17. 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

(外務省「JAPAN SDGs ACtion Platform」ページより)

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