プラン・インターナショナル・ジャパン(PIJ)さんの活動報告会が開かれました。
現地でどんな活動がなされているのかを吸収するために、参加してきました。

今回は、
「インドネシア国統括事務所長による活動報告~インドネシア地震緊急支援とプラン・スポンサーシップ~」として、ディニ・ウィディアスチュチさんのスラウェシ島で発生した地震に対する緊急避難活動やプラン・スポンサーシップについての講演でした。

2018年9月28日、インドネシア中部のスラウェシ島で発生したマグニチュード7.5の地震と津波により、2000人以上の人々が命を落とし、避難者数が20万人を超えるなど甚大な被害が報告されました。

このような中で、現地の統括者による生の活動を聴くことができるまたとない機会でした。
なお、インドネシアは、支援国(援助を受ける側)だけではなく、活動国(援助を提供する側)となる事も模索中とのことです。それだけでも素晴らしい事だと思います。

インドネシアのプラン活動紹介(活動の特徴)

国土日本の約5倍、1.7万以上の島、2.55億人
1969年から活動開始
チャイルド数3.8万人
928人が日本のスポンサーを持つチャイルド
2018年活動を行ったコミュニティの数1227

インドネシアの子供たちが直面している課題
  保健衛生に対する知識や理解不足
  乳幼児保育を置ける機会の欠如
  質の高い保険サービスや健康維持のための知識の欠如
  若者の雇用機会の不足
  子供に対する性暴力や逆来の危険
  災害発生時の対応能力の不備

この中でも喫緊の課題は、自然災害に対する対策
詳細は、PIJサイトの国別活動詳細のページをご覧ください。
https://www.plan-international.jp/about/country/cop_indo.html

インドネシア2018年津波緊急支援報告

2018/9/28
3つの出来事があった(津波、地震、地滑り(液状化))

プランの初動(Steps to follow)
小規模の場合には、プランではなく、関連団体(普段から訓練をしている)が出動することもあるが、今回は大規模だったので、地震後24時間以内に統括舞台で、緊急支援チームが立ち上がり、29日には現地派遣を決定。(4人。1人はジャカルタから、残りの3人は東部からジャカルタ経由で派遣)
人選としては、チャイルドプロテクションの訓練を受けてスキルを持った要員を選抜。
インドネシアだけに限らず、グローバルに支援を要請。
あわせて、国内外のメディアに対しても状況および対応の内容を流していく

インフラ(道、港、空港)への被害も大きく、アクセスが絶たれることもあった。メインの空港がだめだったので、12時間かかる近くの空港に入って、移動した。支援チームの到着は、3日後

被災者の欲しているものが何かを的確に知るためにアセスメントを行うのだが、被災者も混乱、トラウマとなっているので、調査が進まないこともある。

この結果を受けて、対策内容を決定し、各国(支援国)への(追加)支援を要請する。

受益者は、子供のいる家族、妊産婦のいる家族、障碍者のいる家族 を優先。

《活動》

  • シェルターキット 衛生用品・水の配布、衛生環境の整備 教育支援と子どもの保護
  • シェルターキットは、数人向け → 大規模の場合、女性・子供への嫌がらせ、プライバシーの欠如を招く
  • 教育支援と子どもの保護 → 仮説教室の設置、幼児向けには遊べるようなスペース(「移動式子どもひろば」)の提供、
                  スクールキット(ステーショナリー)の配布。
                → 子供たちにとって、学校に通うことは日常が戻る安心感を得られる
  • 親と離れ離れになっている子供の保護 → 戦時どさくさの人身売買・誘拐の防止
  • 子供保護の他のNGOとの共同キャンペーン → 子供と親を無図日付けるネットワークの構築
  • 移動式子どもひろば  → 仮設式のテント。子供の中でも年長の子達が、より幼い子たちの面倒を見る(お遊戯など)
  • バザーの実施

    被災者には現金でなくクーポンを配布。支援物資を「受け取る」のではなく、選んで選択できるようにする。支援物資として、下着を送ってくれることもあるが、センシティブなため「使い古し」を選ぶのにためらいが出る。そこで、同じく被災した商店にバザーを開催してもらい、在庫をを提供して、新品を被災者が選べるようにする。その代わり、プランが商品相当の代金を後ほど商店に返金するスキーム。男性にはDIYグッズが人気高かった。
  • ジョナサン・クリスティ(18回アジア大会バドミントン金メダリスト)がクラウドファンディングで支援を募り、慰問。子供たち(もちろん大人たちにも)多くの勇気を与えた。
  • 子供たちへの共同聞き取り調査 → PI、ユニセフ、ワールドビジョン、セーブザチルドレン

    子供たちを単に被災者と捉えるのではなく、復興に向けた新しい活力として意見を吸い上げていく重要な活動となる。

Gender perspecive in emergency work
    『ジェンダー視点をどのように取り入れるか』

 

  • 女の子と女性のニーズを徹底調査
  • 女の子と女性が必要としている物資を配給 
    → 生理用ナプキンの配布(実施するNGOが少ない)
  • 緊急支援チームの男女比のバランス
  • 緊急下の女の子と女性の問題を広く普及・啓発 
    → 調査研究結果を自治体に報告・提言

荷物配送に当たっては、政府がヘリコプターを貸与してくれた。

また、70台のバイクを調達。かなり僻地にいったのは他のNGOにはない活動だった。落ち着いた後に、現地の方々から多くのお礼(感謝)を受けた。

物資の配給に当たっては、不正の受取が無いように名前、IDなど複数の手段によるチェックを行った。 → 被災者も混乱の中なので、実際にはかなり大変。

インドネシアにおけるプラン・スポンサーシップについて

緊急支援活動ではなく、長期的な減災・防災に向けた対策活動にも力を入れている。
(49918(過去15年で壊れた学校施設)→ 耐震基準を満たしていない施設などが多い)

  •  災害に強い学校つくり  →防災訓練、救急活動訓練の実施
  • 沿岸部の地域での減災対策
  • 気候変動の理解向上と緑化対策 → 気候変動適用プログラム 環境教育 緑化活動
  • 災害に強い地域づくり(I AM READYプロジェクト) 
    →コミュニティ単位での活動
    (無料の水泳教室、土嚢を積む活動 等)
  • safe school
    →「災害に強い学校づくりプロジェクト」で作ったスマホのゲームアプリ(71600のDL 9か国の言語版) 

プランの働きかけによる自治体の活動成果

  • 「災害に強い学校づくり」を自治体予算で推進することを決定
  • 耐震基準を考慮した学校建設基準の策定

《質疑応答》

  • (Q)寄付以外の活動として何かできることはあるか?
    (A)SNSなどに、女性や子供を守るためのメッセージを発信して欲しい。
  • (Q)日本とインドネシアの違いとして認識していることがあれば、教えて欲しい。
    (A)readynessの違い。事前の教育の浸透、発生時の対策に向けた準備する能力の不足。インフラの充実度。
  • (Q)アセスメントは、都度現地で行うのか?
    (A)その通り。アセスメントは現地に行って行うのが実態であるが、同時にいろいろな団体が実施しており、自治体に情報が集まってきているのでデータの有効活用できるような仕組みを構築したい。
  • (Q)日本の女の子が、現地の子達と交流することは可能か?
    (A)まずは、発信して欲しい。
  • (Q)医療従事者がどのようにかかわっていけるのか?
    (A)インドネシアの医療従事者が関わってはいるが、人の配置には時間がかかり、中々難しい問題。
  • (Q)最もチャレンジだったことは?
    (A)アクセス(ロジスティックス)、支援者自体が被災者であることもあること。
  • (Q)他団体とのコラボは、どういう形で行われていくのか?
    (A)クラスターベース(部分的な)共同作業はある。お互いの得意な所を活かしていく。

PIJサイトの本イベント開催報告は、こちら、からご覧ください。

(※)チャイルド
子どもたち、とりわけ女の子たちがもつ可能性を十分に発揮できる村づくりを目指す「プラン・スポンサーシップ」。プランとともに活動し、村を代表してその成果を私たちに伝えてくれる子どもたちを「チャイルド」と呼びます。
(PIJ公式HP より)

「チャイルド」の属する地域・社会の改善をプロジェクトとして推進していく仕組みとなっており、支援をするスポンサーには、プロジェクトの活動状況の他に、チャイルドとの交流により、より現地の状況変化を知ることができます。
引き続き、地道ですが、応援を続けて行きたいと思います。
ご興味、ご賛同いただける方は、こちらのPIJサイトにて、ぜひ支援のお申し込みをどうぞ。

株式会社プルモデラは、プラン・インターナショナル・ジャパンの活動に賛同しております。 プラン・インターナショナルは、子どもの権利を推進し、貧困や差別のない社会を実現するために世界70カ国以上で活動する国際NGOです。

新着情報のご案内をいたします。よろしければ、こちら よりご登録ください。

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