Bunkamuraザミュージアムで開催中のロシア国立トレチャコフ美術館所蔵品展。
まもなく会期終了となりますが、素晴らしかったです。
まさにタイトル通り。
革命前の帝政ロシア時代に、こんな作品があったなんて
四季折々を描いた作品群は、とっても柔らかで鮮やかな色で表現され、厳冬さえも描かれる白は柔和で素敵です。
レヴィタン(「森の小花と忘れな草」「樫の木」)やシーシキン(「正午、モスクワ郊外」「雨の樫林」)は、その構図、色遣いが印象に残りました。
人物描写も、独特。ヨーロッパ絵画の影響をうけつつも、独特の雰囲気が醸し出されています。レーピンによる「ルビンシュテイン」「クラムスコイ」、丁寧に描きこまれながらも、ヨーロッパ絵画に見られる宗教性や何となく押付られているよう(ある意味強迫的)な雰囲気が無いところが印象的でした。子供を描いた諸作品にも丁寧さや柔和さが目立ちました。
そして、女性。クラムスコイの「忘れえぬ女」「月明かりの夜」。
女性の表情、仕草はもちろんのこと、その背景まで丁寧に描かれているのが、やはり「現物」を間近で観ることで分りました。さすが、本展覧会で「看板」となる作品だと思いました。
「忘れえぬ女」、原題は「Unknown Lady」(のロシア語)。
原題に忠実に「見知らぬ女」と記載することもあるようですが、見知らぬ女性ながらその出会いが衝撃的で「忘れることができない」くらいの女性という「忘れえぬ女」。
タイトルまでロマンティックな作品でした。
建築物を描いた作品が思いのほか少なかったのは残念でしたが、新たな発見いっぱいの「当たり」な観覧でした。
(注)
本投稿の作品画像は、
ポストカード(の部分)を撮影したものです。従って、色、全体の構図などは実物とは異なります。
実物は、ぜひ、展覧会に足をお運び、ご覧ください。
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